データから読み解く
日本の国際貢献戦略
VISION
世界を健康にすることが、
真の経済成長につながる。
Japan Trackerは、日本の政府開発援助(Official Development Assistance: ODA)をはじめとする保健分野の国際協力の資金の流れを、日本で初めて“可視化”するデータプラットフォームです。これまで不透明になりがちだった国際貢献の姿を一次データに基づき、分かりやすくビジュアライズすることで、あるべき日本の国際貢献戦略を考えるきっかけをつくっていきます。
これまでグローバルヘルスなどの21世紀的な国際貢献のあり方は一部では注目されながらも深く議論されてきませんでした。しかし、我々が分析・公開したデータからは、国境を超えた健康な人づくり支援(健康支援)は、日本をはじめとする先進国にとっても極めて効果的な選択肢であることが分かってきました。


世界各国に対する健康的な人づくりは、健康な労働者を確保し、その国の生産性を高めます。例えば、母子保健プログラムに対して1ドル投入すると9~20ドル1、小児ワクチンに1ドル投資すると最大44ドルが投資利益率として期待できる2と言われています。また、健康支援は、地域の社会安定から世界の平和へつなげる重要な手段の一つです。その本質的な健康支援はその国との信頼関係を構築することになり、経済文化交流が促進されます。それは輸出および観光などの産業として、支援した国の経済成長となって還ってくるのです。
これまでに日本が保健協力を通じて世界へ果たしてきた貢献を可視化すると共に、日本が国際社会においてさらにプレゼンスを高め、貢献するためのヒントを提供していきます。
国境を越えた人々の健康支援こそ、
いま日本が行うべき国際貢献である。
1. Jamison DT, Summers LH, Alleyne G et al. Global health 2035: A world converging
within a generation. The Lancet, 2013; 382(9908): 1898–955.
2. Ozawa S, Mirelman A, Stack ML,
Walker DG, Levine OS. Cost-effectiveness and economic benefits of vaccines in low- and middle-income
countries: A systematic review. Vaccine, 2012; 31(1): 96–108.
RESULT
TRACK
ArchivesABOUT
本ウェブサイト立ち上げの経緯と
パートナーシップについて
「ビル&メリンダ・ゲイツ財団(以下、ゲイツ財団)は、共同議長のビル・ゲイツ、メリンダ・ゲイツ夫妻によって創設された世界最大の慈善基金団体です。途上国における人々の健康状態を改善し、極度の貧困からの自立を支援しており、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)の達成に向けても、活動を展開しています。近年、ゲイツ財団は2017年に東京に新たな拠点を置き、グローバルヘルス等様々な国際協力分野において日本政府および関係諸機関との連携を強めています。こうした日本政府とゲイツ財団の相互の協力関係の高まりの中で、外務省を含む関係省庁や国際協力機構(JICA)などへ協力を相談してきた結果、本ウェブサイトの開発事業が計画されました。2018年にこの事業の委託先として、国立国際医療研究センター(National Center for Global Health and Medicine: NCGM) 国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター(Institute for Global Health Policy Research: iGHP)が選ばれ、iGHPがデータ解析を一義的に行う運びとなりました。
国立国際医療研究センター
国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター
「健康先進国」としての知見を世界とつなげることを目的に、日本におけるグローバルヘルス政策の重要機関として2016年10月に、NCGM国際医療協力局に「グローバルヘルス政策研究センター(Institute for Global Health Policy Research: iGHP)」が設立されました。
NCGMは、保健医療分野における日本を代表する国際協力機関として、国際機関や開発途上国への専門家派遣、国内外の保健医療人材の育成、研究を実施しています。このNCGMの歴史を牽引しつつ、よりグローバルな視点で革新的な医療政策を日本から発信することをミッションにiGHPは保健医療分野の世界的リーダーを目指します。iGHPは、グローバルヘルスに関する政策研究、日本、そして世界へ向けての政策提言や、次世代グローバルヘルスリーダーの育成などに、取り組んでいます。
iGHP